Q.奈良で一番雨が多い場所は?
2026-06-19 公開
答え
紀伊山地の大台ヶ原です。奈良県町村会などの資料によれば年間雨量は3,500mmを超え、屋久島と並ぶ本州屈指の多雨地帯とされます。一方、観光客が多く訪れる奈良市(奈良地方気象台)の年降水量は1,365.1mm(気象庁・1991〜2020年平年値)で、県内で最も少ない部類。山がちな南部と内陸の盆地部とで、雨の量には約2.5倍以上の開きがあります。なお大台ヶ原には気象庁の観測所がないため、3,500mmは観測所平年値ではなく引用値です。
大台ヶ原は本州屈指の多雨地帯
奈良県南東部、紀伊山地の大台ヶ原は、屋久島と並ぶ日本でも最も雨の多い地帯とされ、年間雨量は3,500mmを超えるとも言われます(奈良県町村会など)。屋久島が梅雨・台風・冬の雪を通じて降るのに対し、大台ヶ原は台風シーズンの雨が圧倒的に多いのが特徴です。ただし大台ヶ原には気象庁の正式な観測地点(アメダス)がなく、この3,500mm超は気象庁の観測所平年値ではなく引用値である点には注意が必要です。
3,500mm超大台ヶ原の年間雨量(引用値)
本州屈指屋久島と並ぶ多雨地帯
気象庁で確かめられる最寄りは上北山アメダス
大台ヶ原そのものには観測所がないため、気象庁データで多雨を裏づけられる最寄りは上北山アメダス(吉野郡上北山村)です。年降水量平年値は2,713.5mm(気象庁・1981〜2010年平年値)で、奈良県内の気象庁観測所では最多雨。県内の観測所を並べると、上北山2,713.5mm、風屋2,314.0mm、針1,508.3mm、大宇陀1,469.3mmと、山がちな南部ほど雨が多く、盆地部の奈良市1,365.1mmが最も少ない部類です。
2,713.5mm上北山アメダスの年降水量(県内の気象庁観測所で最多、1981〜2010年平年値)
1,365.1mm奈良市の年降水量(県内で最も少ない部類、1991〜2020年平年値)
- 上北山2713.5mm
- 風屋2314mm
- 針1508.3mm
- 大宇陀1469.3mm
- 奈良市1365.1mm
盆地の奈良市はなぜ雨が少ない?
奈良市など奈良盆地は周囲を山に囲まれた内陸の盆地で、年降水量は1,365.1mm(気象庁・1991〜2020年平年値)と県内で最も少ない部類です。対する大台ヶ原は、太平洋からの湿った南東風が紀伊山地にぶつかって持ち上げられ、台風期に大量の雨を降らせます。同じ奈良県でも、年降水量には約2.5倍以上の差があります。観光の中心である奈良市が「雨が少なめ」だからといって、南部の山岳エリアまで同じと考えるのは禁物です。
約2.5倍超県内の年降水量の差(上北山 対 奈良市)
全国の多雨地と比べると
全国で見ると、日本一の多雨観測所は鹿児島県の屋久島で、年降水量平年値は4,477.2mm(気象庁)。三重県の尾鷲も3,848.8mmと多雨で知られます。大台ヶ原の約3,500mm超は、観測所のない引用値ながらこれらに匹敵し、本州屈指の多雨地と言えます。奈良県内の最寄り観測所・上北山の2,713.5mmと並べても、大台ヶ原一帯がいかに突出した多雨地帯かが見えてきます。
4,477.2mm屋久島の年降水量(気象庁・全国1位、参考)
3,848.8mm尾鷲(三重県)の年降水量(気象庁・参考)
| 地点 | 年降水量 | 区分 |
|---|---|---|
| 屋久島(鹿児島) | 4,477.2mm | 気象庁・全国1位 |
| 尾鷲(三重) | 3,848.8mm | 気象庁観測所 |
| 大台ヶ原(奈良) | 3,500mm超 | 引用値 |
| 上北山(奈良) | 2,713.5mm | 気象庁観測所・県内最多 |
| 奈良市(奈良) | 1,365.1mm | 気象庁観測所・県内最少クラス |