Q.明日香の古墳、石舞台・高松塚・キトラはどう違う?
2026-06-18 公開
答え
明日香の代表的な古墳は、性格がはっきり違います。石舞台は巨石をむき出しにした日本最大級の方墳(蘇我馬子の墓と伝わる)、高松塚とキトラは極彩色壁画で知られる終末期古墳で、いずれも壁画が国宝。さらに天皇クラスの墓は「八角墳」という特別な形をとります。
石舞台古墳——むき出しの巨石、日本最大級の方墳
石舞台古墳は、盛り土が失われて横穴式石室の巨石がむき出しになった、わが国最大級の方墳です。30数個の岩の総重量は約2,300トン。被葬者は飛鳥時代の有力者・蘇我馬子の墓と伝えられています。露出した巨石の迫力で知られ、明日香を代表する景観のひとつです。
約2,300トン石室を構成する石の総重量
30数個積み上げられた巨石の数
方墳古墳の形(わが国最大級)
高松塚・キトラ——極彩色壁画の終末期古墳
高松塚とキトラは、ともに7世紀末〜8世紀初頭の終末期古墳です。高松塚は1972年に極彩色壁画が発見され、「飛鳥美人」と呼ばれる女子群像で知られ、1974年に国宝指定。キトラには四神・十二支・天文図・日月が描かれ、壁画5面が2019年に国宝指定されました。キトラの天文図は本格的な中国式星図として現存世界最古級。四神がすべて揃うのはキトラのみです(高松塚は盗掘で朱雀を失いました)。
| 高松塚古墳 | キトラ古墳 | |
|---|---|---|
| 国宝指定 | 1974年 | 2019年 |
| 代表的な壁画 | 飛鳥美人(女子群像) | 四神・十二支・天文図 |
| 四神 | 朱雀を欠く(盗掘) | 四神すべて現存 |
天皇の墓は「八角墳」——格の違いを形で示す
飛鳥時代の終末期、天皇(大王)の墓は正八角形の「八角墳」という特別な形をとりました。明日香の天武・持統天皇陵(合葬墓)、中尾山古墳(文武天皇陵と推定)、牽牛子塚古墳(斉明天皇陵の可能性)が八角墳です。八角形は中国の天子の思想とも結びつき、天皇という存在の格を“形”で示したと考えられています。
8角天皇クラスの墓「八角墳」の角の数
3基明日香の主な八角墳(天武持統陵・中尾山・牽牛子塚)
2件明日香の古墳壁画の国宝(高松塚・キトラ)
歩いて確かめる——国営飛鳥歴史公園
これらの古墳の多くは国営飛鳥歴史公園として整備され、石舞台や高松塚の周辺を歩いて巡れます。キトラ・高松塚の壁画は、それぞれの体験館・壁画館で精巧な複製を見られます(本物は保存のため非公開が基本)。下記のデータで、構成資産や文化財の所在を確かめてみてください。