Q.奈良で一番高い山は?——奈良の山を数字で見る
2026-06-24 公開
答え
奈良で一番高い山は、県南部の大峰山脈にそびえる八経ヶ岳(標高1,915m)。じつはこれは奈良県だけでなく近畿2府5県の最高峰でもあります。県内の日本百名山は「大峰山」「大台ヶ原山」の2座で、いずれも南部。森林率は約77%と全国平均(約67%)を大きく上回り、山は南部に集中、奈良盆地のある北部は低山が中心、という南北のコントラストがこの県の地形の特徴です。
奈良の最高峰は、近畿の最高峰でもある
「奈良で一番高い山は?」の答えは、県南部の八経ヶ岳(はっきょうがたけ・標高1,915m)です。意外に知られていませんが、これは奈良県内だけの話ではありません。大阪・京都・兵庫・滋賀・和歌山・三重を含む近畿2府5県を見渡しても、これより高い山はない——つまり八経ヶ岳は近畿地方の最高峰です。天川村と上北山村の境にあり、修験道発祥の地として知られる大峰山脈の主峰にあたります。国土地理院は2009年発行の地形図から「八経ヶ岳」の呼称に統一しました。標高1,000mを超える峰のほとんどが県南部に集まっているのが奈良の山の特徴で、北部の奈良盆地周辺とは地形がまるで違います。
1,915m八経ヶ岳の標高(奈良・近畿の最高峰)
2府5県八経ヶ岳が最高峰となる近畿の範囲
2座奈良県内の日本百名山(いずれも県南部)
日本百名山は2座、どちらも県南部
深田久弥が選んだ「日本百名山」のうち、奈良県内にあるのは2座です。1つは八経ヶ岳を主峰とする「大峰山」、もう1つは奈良・三重の県境にまたがる「大台ヶ原山」で、その最高地点は日出ヶ岳(ひでがたけ・標高1,695m)です。どちらも紀伊半島の脊梁にあたる県南部の山で、吉野熊野国立公園に含まれます。大台ヶ原は年間降水量が多い「日本有数の多雨地帯」としても知られ、トウヒの立ち枯れが広がる独特の景観をもちます。百名山がいずれも南部に集中していることが、奈良の「山は南」という地形を端的に物語っています。
1,915m大峰山(八経ヶ岳)の最高地点
1,695m大台ヶ原山(日出ヶ岳)の最高地点
県を貫く5つの山系を、標高で並べてみる
奈良の山は、いくつかの山系に分けて見るとわかりやすくなります。県南部には1,900m級の大峰山脈と、大台ヶ原を擁する1,700m級の台高山脈。県の西縁、大阪との境には金剛山地(金剛山=葛木岳・約1,125m、大和葛城山・959m)。北西の奈良盆地ぎわには生駒山地(生駒山・642m、信貴山・437m)が連なり、その南に二上山(雄岳・517m)があります。下の表とグラフが示すとおり、南へ行くほど標高が一段、二段と上がっていく——これが奈良の山の南北分布です。それぞれの山系の深掘りは、文末の関連記事へどうぞ。
- 大峰山脈(八経ヶ岳)1915m
- 台高山脈(日出ヶ岳)1695m
- 金剛山地(金剛山)1125m
- 生駒山地(生駒山)642m
- 二上山(雄岳)517m
| 山系 | 代表的な最高峰 | 標高 | エリア | 主な自然公園 |
|---|---|---|---|---|
| 大峰山脈 | 八経ヶ岳 | 1,915m | 県南部 | 吉野熊野国立公園 |
| 台高山脈 | 日出ヶ岳(大台ヶ原) | 1,695m | 県南部 | 吉野熊野国立公園 |
| 金剛山地 | 金剛山(葛木岳) | 約1,125m | 県西部 | 金剛生駒紀泉国定公園 |
| 生駒山地 | 生駒山 | 642m | 県北西部 | 金剛生駒紀泉国定公園 |
| 二上山 | 雄岳 | 517m | 県西部 | 金剛生駒紀泉国定公園 |
県土の約77%が森林——「山の国」奈良
奈良が「山の国」であることは、数字にもはっきり表れます。林野庁の都道府県別森林率(令和4年=2022年3月31日現在)によれば、奈良県の森林率は約77%。全国平均の約67%を10ポイントほど上回り、県土の4分の3以上が森林です。さらに人工林率は約61%と高く、吉野林業に代表されるスギ・ヒノキの植林地が南部を中心に広がっています。この豊かな森林は、南部の大峰・大台ヶ原を含む吉野熊野国立公園や、北西部の金剛生駒紀泉国定公園として保護されてもいます。深い山と森が県土の大半を占める——その南北の分布を、各山系の記事でさらに詳しく見ていきましょう。
約77%奈良県の森林率(令和4年・林野庁)
約67%全国平均の森林率
約61%奈良県の人工林率
高い山は南、人は北——地形と暮らしの南北分布
山系の標高を南北に並べると、奈良の「南は高峰、北は低山」という構図がくっきりします。そしてこの地形は、暮らしの分布とも重なります。県人口の大半は、平地が広がり交通も集まる北部の奈良盆地周辺に集中し、深い山がつづく南部は人口がまばらです。つまり「高い山は南、人は北」。日本百名山2座も、森林率77%を支える深い森も、近畿最高峰の八経ヶ岳も、すべて南部にあります。この総覧をスタート地点に、八経ヶ岳と大峰、大台ヶ原と台高、金剛・葛城、生駒山、そして人口の南北分布——気になった山系の記事へ進んでみてください。
南部百名山2座・近畿最高峰・深い森の所在
北部人口が集中する奈良盆地周辺